
北海道のまんなかあたりにある小さなまち、芦別(あしべつ)市️
山に抱かれ、川が流れ、夜には満天の星がきらめく✨
その空を見上げていると、「ここが好きだなぁ」って、つい口にしてしまう。
だけど、そんな穏やかなまちにも、ゆっくりとした“変化”が訪れているのを感じる。
2025年9月30日現在、芦別の人口は10,947人。
そして、10年前の2015年(平成27年)には14,676人。
たった10年で約3,700人も少なくなったんだって
数字だけ見れば「減ってるなぁ」と思うけど、実際に歩いてみると、それが“風景の中の静けさ”として、肌でわかるようになってきた。
まちを歩くと感じる「静かな変化」️
久しぶりに帰省した友人が言っていた。
「なんか、前より空が広く見えるね」って。
それはたぶん、空き家が増えたり、建物が減ったりしたからなんだと思う。
でも、その“広くなった空”には、少しの寂しさと、少しの優しさが混ざっているような気がした
学校の校庭では、子どもの声がちょっと少なくなった。
でも、遠くから聞こえる笑い声は、どこかのびのびしていて、あたたかい。
おばあちゃんが店番している小さな商店に立ち寄ると、
「今日は寒いねぇ」「このりんご、朝採ったんだよ」
そんなやり取りが、まるで心を包み込むよう。
人が少なくなっても、この“あたたかさ”はちゃんと残っているんだなぁって思う☺️
⛏️かつてのにぎわい、そして今
芦別はもともと炭鉱のまちだった。
昭和の頃は本当ににぎやかで、5万人以上が暮らしていたらしい。
映画館があって、喫茶店があって、商店街の灯りが夜遅くまで続いていた。
だけど、炭鉱が閉山してからは、ゆっくりと静けさが増していった。
でもね、不思議なことに、今の芦別も悪くない。
静けさの中に、ちゃんと“生きている音”がある。
風の音、雪を踏む音、遠くで聞こえる除雪車のエンジン音。
その全部が、このまちの呼吸みたいで。
大きな声では話さないけれど、「ここにいるよ」と、確かに伝わってくる
なぜ人が減っていくのか…そして、それでも残る理由
若い人が進学で出ていき、就職で札幌や旭川へ行く。
年配の人たちは高齢になり、静かに日々を過ごす。
そして、気づけばまちの人口は、少しずつ少しずつ減っていく。
でも――
「減る=悪い」ではないと思う。
人口が減っても、このまちには“ここで生きたい”と思う人がいる。
自然が好きな人、静かな時間が好きな人、家族の近くにいたい人。
それぞれの“残る理由”があって、ここにいる
そして、その人たちがいる限り、芦別はちゃんと“生きている”んだ。
☕小さな希望が、少しずつ芽吹いてる
最近はね、少しずつ新しい風も吹いてきてるんだ。
古い民家をリノベしてカフェを開いた若いご夫婦☕
地元の高校生が作った動画で、まちの魅力を発信してるチーム
そして、農家さんたちが手を取り合って始めたマルシェ
そのひとつひとつは小さいけれど、光ってる✨
「人が減っても、まちは終わらない」
そんな想いが、確かに形になってる気がする。
夜空を見上げて思うこと
夜。
星の降る里らしい、芦別の空を見上げると、息をのむほどの星。
街灯が少ないぶん、星のひとつひとつがくっきり見える
都会では見えない小さな星たちが、ここでははっきりと瞬いている。
「減る」ことは、「静かになる」こと。
でも、その静けさの中でしか見えない輝きもある。
もしかしたら、芦別は今、その“本当の美しさ”を取り戻しているのかもしれない。
これからの10年を思う
10年前から今日までに、3,700人が減った。
この先10年で、また同じように減るかもしれない。
でも、私は悲観していない。
だって、このまちには「変わらない優しさ」があるから
おじいちゃんが育てたトマトを買って、
おばあちゃんが焼いたパンを食べて、
地元の人と笑いながら話す時間。
そのひとつひとつが、何よりの宝物だと思う。
おわりに──「減っても、残るもの」
数字だけを見れば、確かに芦別は“減っている”。
でも、心で見れば、“深まっている”ようにも思う。
人と人の距離が近くなって、自然のありがたみを感じて、
「ここに住むこと」の意味が、少しずつ濃くなっている。
人口が減るという現実の中で、
それでも笑っている人たちがいる。
それだけで、このまちはもう十分に強い
今日も、芦別の空には星が降っている✨
その光を見上げながら、「このまちが好き」と、また心の中でつぶやいた。
――人が減っても、芦別は今日も、やさしく息をしている